不謹慎な女

部長が雑用ばかり押し付けてきて腹が立つ。月末のクソ忙しい時に電話対応ばかりかかってきて仕事が終わらない。むかつく。クレーマーがきた。絶対良い死に方しないよ。バイトに怒鳴り散らかして悦に入ってる哀れな人。

一般職やバイトをしていても、これらの感情はよく内心抱く感情なのではないだろうか。しかし、わたしたち医療者が患者の愚痴を言うのは、何故かタブー視されている。

そこにわたしは差は無いと思うけれど、どうやら一般の方々はそうではないらしい。

どうやら不謹慎らしいですよ、看護師の皆様。

一応、医療職者には守秘義務の厳守をする義務がある。それを守っている範囲で、

「緊急入院がくる時点で残業確定だからくる時点で腹が立つ」とか「介護度が高いとこちらの身体負担が大きいから担当したくない、手間」とか、「本人の強い希望があり半社会的入院になった人が依存的で早く帰ってほしい」とか、「患者が目の前で転んだせいで受け持ちでもないのにインシデントレポートを書かなくなった。よりによって自分の前で転びやがって」とか、看護師にはありふれすぎてあるあるネタなはずで、特に不謹慎要素ゼロな気がするが、外野からしたら不謹慎らしい。ネタとしても言っていいことと悪いことがあるっ!ぷんぷん!患者は苦しくてそこにいるのにこんな看護師いると思ったら受診したくない!おこおこ!みたいな人たちがいて実に苛立たしい。

はあ、そうっすか、と言いたい。へえ、そうなんだあ、でもいい。

とりあえずわたしたちに仕事の愚痴は許されないらしい。いつもにこにこ!どんな要望にも応えて、望んだらいっくらでも残業してくれる、いつも親身に時には1時間弱話を聞いて寄り添ってくれる!そんな看護師に溢れててほしいのだろう。

しかしながら、現場はそこまで甘くない。そんなことをしている暇があればやることは山のようにあるのだ。看護師の業務は、うまくスムーズに行っても定時でなんとか終わるかどうか、少しでも乱されるとその時点で絶望のどん底。帰れない。終わらない。そんな世界。イライラすることも多いし、緊張感を持たなければならない場面も多い。

とてもお前らの理想通りに振る舞ってる暇など存在しない。

じゃあ、こんなのはどうだろう。1世帯に1人、医療現場に携わる人間を作る義務にして、身内の看護はすべてその身内の医療職に担ってもらうのだ。

そしたら身内なのだから、そりゃもう自分の思い通りになるように言ってはどうだろうか。さぞ手厚く面倒みてくれるのではないだろうか。・・・なんだか生贄制度みたいでいただけないですけれど。

とりあえず、こんな看護師ばかりで嫌、受診したくないという方々、来なくて結構です。仕事減って助かります!それでも医療を受けたい人間だけ来ればいい。わたしはそう思います。