職業:看護師

看護師のイメージ。

優しくて、丁寧で、親身に身を粉にして、熱心に尽くしてくれる、無条件に慈しんでくれる存在。一般ではそんなイメージでしょうか。でも実際は違う。優先順位は命の有無。最悪、患者が生きている状態を維持していればよい。軽傷に丁寧に時間を割いている暇なんてなし。優先順位は極めて下。そしてなにより、わたしたちは看護師という「仕事」に就いているにすぎない。看護師という側面に縛られて生きているわけではないのだ。決まった就業時間内、看護師業務を仕事としてしているだけ。勤務時間が終わればもはやただの人なのだ。緊急入院が定時前に決まれば「あ、運がなかったな。残業決定…」とも思うし、定時前に急変が起これば「このタイミングか…」と思いもする。言わば、定時前に上司や先方に急ぎの仕事を振られた会社員のようなものなのだ。ここを理解していない非医療職が、ものすごく多い気がする。

看護師は24時間病院にいるわけではない。

日勤なら8時半から17時まで、夜勤なら16時から9時まで、そういった時間シフトの中で働いている。なので、19時ごろに残業して帰れていないにも関わらず、日勤に気楽に声をかける患者や患者家族は極めてギルティである。まぁ、そんなこと知ったこっちゃないのかもしれないけれど。

わたしが言いたいのは、あくまでわたしたちは仕事として看護師をしているだけであって、必要以上に何かを期待して求められても困る、というわけだ。慈善事業でやっているわけでもないし、ボランティア活動をしているわけでもない。無条件にわたしたちに善性のレッテルを貼り、それを期待するのは間違っていますよということだ。

医療職に夢を見ている非医療職があまりにも多すぎる。患者一個人にそこまで興味などありはしない。あくまでビジネスライクな関係であることを念頭に置いていただきたい。