白衣は便利屋ユニフォーム

病院の一スタッフである、と知らしめるための白衣。着た瞬間、病棟内で誰彼構わず声をかけられる。病院の一従業員であるわたしたち。病棟内で接客業をしているので、なににでも笑顔で応じなければならない。

日々神経を使い、分刻みで動くため、正直わたしたちにひまな時間などあまりない。

正直、家族対応や患者対応に使える時間は検温と状態観察、処置や諸々合わせ1人頭10分以下!それ以上は残業コース。もしくは他の業務が押してしまう、なんてことも皆頭の中で考えながら対応していないだろうか。


しかし、現実にはコールで湿布を貼れだの、水筒にお茶をくんでこいだの、トイレに行きたいだの、挙句なにかを落とした、なにかを取れ、とか、そんなことに看護師を呼びつける。それも療養上の世話に入るのか。そうかこれが療養上の世話、なるほどなるほど…と虚無感すら抱く。そして結局時間内に書けずに終わった山のように残るカルテ記載。

まさに絶望である。これらの雑用が患者さんのためッ♡と思えるほど人間はできていない。わたしたちじゃなくてもやれるじゃん…というのがわたしを含め本音なのではないだろうか。別にやりたくないのではなく、それをやって他の看護師業務をしていたら、確実に仕事が定時には終わらないのだ。

なので苛立ちと不満がなお募る。


わたしたちは白衣を着て看護師をしているだけの一般人。看護の学校に通った。実習に行った。国家試験に通った。資格をもらった。ただそれだけなのだ。

なので、なんでもやってくれる、看護師だからなにを頼んでもいい、なにを言ってもいい、こいつらは仕事だから、とか思わないでほしい。病院はいつでも人がいるから、ではなくて、その時々の時間帯できちんと役割がある。しれっとICに遅れてくるな。準夜帯に日勤が残って待ったりしているのだ。

一応定時はだいたい日勤は8:30から17:00まで。夜勤は16:30から翌9:00まで。三交代ならまた少しイレギュラーだけども。

それらの時間が過ぎたらみなさま、昼の担当、夜の担当に用事をお申し付けにならないよう、よろしくお願い致しまーす♡

看護師営業時間これにて終了でーっす!っと業務は残っていようが一斉に私服に着替えてやりたい気持ちだ。白衣の呪縛とはおさらば。これでより、わたしたちを縛るイメージから逃れられるのではなかろうか。と考えたりする。自己犠牲ばかりを強いられたくはない。そういう仕事だろってなんですか?にこにこ喜んで残業したい人間なんて、世の中あんまり存在しないですよ?プライベートの方が仕事よりよっぽど大事。そうでしょう?少なくとも、わたしはそうです。